人生儀礼ー家族の絆 深まる儀ー
人生儀礼とは
物事の節目ごとに神社にお参りしたりお祝いする、そんな生活を大切にしてきた日本文化。
健やかな成長を祈る初宮詣(お宮参り)やお食い初め七五三詣をはじめ、結納や顔合わせ食事会、還暦などの年のお祝いなど、人生の節目におこなう儀を人生儀礼として、下記にまとめさせていただきました。
人生儀礼は、周囲の人々への感謝を伝え、お祝いしてもらう時間と空間であるとも言えます。
一つ一つの人生儀礼をぜひ大切にしていただき、笑顔と感謝でいっぱいの時間を写真に残すお手伝いをさせていただけると幸いです。
帯祝いと安産祈願
子宝に恵まれたことを神社で神様に感謝し、妊娠5ヶ月目の戌(いぬ)の日に帯祝い(着帯の祝い)をします。
5は縁起が良い数とされていますし、胎児が安定する時期であることから5ヶ月目となったそうです。
戌の日が選ばれるのは、犬の安産にあやかるためといわれ、妊婦は赤ちゃんが岩のように丈夫に育ちますようにという願いが込められました。
「岩田帯(いわたおび)」はその願いを受けをしめます。「帯祝」「着帯祝い」とも言われ、人生儀礼の第一歩とされています。
「古事記」にある、神功皇后が千八百年くらい前、朝鮮半島に出征した折、お腹には応神天皇を身ごもっていた際、帯を巻きつけ出かけ安産であったことが記されていることが起源とも言われています。
初宮詣(お宮参り)・お食い初め(おくいぞめ)
生まれてから初めて神社へお参りする初宮詣。晴れ着(祝着)をつけて、祖母や母に抱かれてお参りする姿はとても美しいですね。
誕生の報告と健やかな成長、幸せを祈願した後に、ご家族での会食は笑顔いっぱいとなります。
男児は生後32日目、女児は生後33日目にお参りするのが慣わしですが抵抗力の弱い赤ちゃんですので、天候の良い日を選ぶ方が安心ですね。
お食い初めは、生後120日目に大人と同じ食膳(赤飯、餅、尾頭付の鯛、野菜、勝栗、吸い物等)を用意して赤ちゃんに食べるまねをする日。
赤ちゃんが一生幸福に育ち食べるものに困らないようにとの親の願いを込めて行われます。尾頭つきの鯛や干し魚などを膳に入れるのは、柔らかい 頭が早くしっかりするようにとか、丈夫な歯が生えるようにと言う願いから。
(石を噛ませる場合もあります。子供の発育を願う周囲の人たちの願いが込められていることから、東京芝とうふ屋うかいのお食い初めのお膳には、歯固め石がプレゼントされるおもてなしがあります)
地方により男女の日数に違いがある所もあるそうです。ご両親にご相談される、土地の慣習に従う方もいらっしゃいます。
七五三詣
子どもの成長を感謝し、これからの無事を祈って神社にお参りする七五三詣。
三歳は「髪置(かみおき)」と呼ぶ男女とものお祝い、五歳は男児の「袴着 (はかまぎ)」、七歳は女児の「帯解(おびとき)」のお祝いとされていますね。
「髪置」は男女児ともに行われた儀式で、この日を境に髪を伸ばし始めました。
また、男児は「袴着」で袴を着け始め、女児は「帯とき」でそれまで付け紐で着ていた着物から帯でしめる着物にかえていたそうです。七五三を終えて晴れて一人前として扱われるようになる嬉しさ溢れる節目の時。11月15日にお参りするのが本来ですが、ご家庭の都合から10月11月に神社にお参りとお食事会で健やかな成長を祈り祝う日とされています。
生まれてから7歳になるまでの間に数多くの祝い事が行われるのは、昔から「7歳までは神の子」として神と人との世界の両方にまたがっていると考えられていたそうです。
子供が物心つくまでの節目節目に、神様にお参りすることは大切な事とされ、神様にこれまでの成長に感謝し、将来の幸せを祈ることは今も昔も変わらない日本人ならではの儀礼ですね。
入学・卒業・就職の奉告
七五三までは、古来から受け継がれた日本文化。近代文化ともいえる、生活環境が変わる時、人生の大きな節目であり、その節目にお祝いされるご家庭も多いことと思います。
入学試験や就職試験で、実力が十分発揮できるように合格祈願をし、入学や卒業時には感謝の奉告参りをして、身内で家族写真とお食事会をするのも素敵です。
成人式(成人奉告祭)
成人の日(1月第2月曜日)または20歳の誕生日に、無事に大人の仲間入りができたことを感謝するとともに今後共立派な社会人として自覚をもつことの誓いとお祝い。
昔、公家や武家では「元服」といって、成人になったことを祝い初めて冠をつける儀式があったことから受け継がれているとも言えるのではないでしょうか。20歳になった男女が大人として社会に認められ、祝福を受ける日としての成人の日がありますね。
結納・顔合わせ食事会
結納は、『結婚』という大きな節目を前に、二人の気持ちを初めて公にする美しいしきたりです。日本の伝統的な婚約のかたちで、色々な品物を相手に贈ることによって両家がお互いを家族として認め合う儀式です。
昨今では、顔合わせ食事会プラスアルファ「プチ結納」だったり、顔合わせ食事会のみという形が、浸透してきていますね。
結納・顔合わせ食事会と結婚式を経て、両家の絆を深めていく姿をたくさん見て参りました。
結婚記念日の奉告
錫婚式(10年)/銅婚式(15年)/銀婚式(25年)/金婚式(50年)
結婚後このような節目に当たる年に、夫婦ともども健康で仲睦まじく過ごせたことを感謝し、夫婦円満・家内安全を願いながら、身内で囲むお食事はまた格別なことでしょう。
結婚記念日を祝う習慣は元来西洋のものでした。我が国では明治27年3月9日に明治天皇、大正14年5月10日に大正天皇が、それぞれご成婚25 年をお祝いになられ、昭和49年昭和天皇がご成婚50年をお祝いになられ、多くのご夫婦がお祝いされるようになっています。
還暦祝(61歳)・年祝い
男女共に数え年で61歳です。長い間、家庭や社会のために尽され、再び生まれてきたときの干支に還ることをお祝いし、今後更なる長寿をご神前で願い、家族と共に末永い長寿を祈ります。
十干(じっかん)甲(きのえ)・乙(きのと)・丙(ひのえ)・丁(ひのと)・戊(つちのえ)・己(つちのと)・庚(かのえ)・辛(かのと)・壬(みずのえ)・癸(みずのと)と、十二支(じゅうにし)『子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥』の組み合わせは60通りあり、自分が生まれた年と同じ干支(えと)がまわってくるのは61年後になります。
干支が一巡して元に戻るというので、生まれ直すという意味から赤い頭巾やチャンチャンコが贈られます。
家族の者が長寿であることほど、おめでたいことはありません。一定の年齢に達すると、家族共々で神社に参拝し長寿のお祝いをします。各年齢の呼び方は以下の通りです。
古稀 祝 70歳- 中国詩人杜甫(とほ)の詩、「人生七十古来稀(まれ)なり」という言葉からつけられました。
喜寿 祝 77歳- 喜の略字が、七・十・七に分解されることからつけられました。
傘寿 祝 80歳- 傘の略字が、八・十に分解できることからつけられました。
半寿 祝 81歳- 半という字が、八・十・一に分解できることからつけられました。
米寿 祝 88歳- 米という字が、八・十・八に分解できることからつけられました。
卒寿 祝 90歳- 卒の俗字「卆」が、九・十に分解できることからつけられました。
白寿 祝 99歳- 百の字から一をとると、白という字になることからつけられました。
上寿 祝 100歳- 60歳の下寿、80歳の中寿に対するもの。
茶寿 祝 108歳- 茶の字は十が二つと八十八とに分解され、合計が108となることからつけられました。
皇寿 祝 111歳- 皇の字が白と王に分解され、白が99、王が分解すると十二ということで合計111となることからつけられました。
生前・終活 遺影撮影
家族のために、自分のために。輝いている写真を残したい。そんな方のご要望にもお応えしております。